今回は「金利」と「株価」の関係性について考えていきたいと思います。
2021年3月16日と17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が開かれ、FF金利目標を現状の0~0.25%の間で据え置くことが決定されました。
今後数年(2023年くらい?)は金利は0付近で維持されるとの見方が大きいです。
また、経済成長率も見直され、2021年は+4.2%と予想されていましたが、+6.5%に上方修正されました。
6%超の経済成長は1984年以来の経済成長率です。
この上方修正によって、米国経済は危機を乗り越え、急成長を見込んでいることが分かります。
経済対策の一つである量的緩和も現状維持との方針で、しばらくは現在の買い入れ規模が継続しそうです。
失業率については2021年、それ以降について予測値が引き下げられました。
これらのようなFOMCの声明を受け、米国株は急上昇しました。
アメリカの主要指数である、ダウ平均株価・S&P500指数・ナスダック総合指数のうち、金利の影響を一番受けやすいのは、ハイテク株を多く含むナスダック総合指数になります。
このようなニュースが最近話題になっていますが、今回は「金利」と「株価」の関係性について解説していきたいと思います。
FOMCによる金利水準や経済対策の現状維持、経済成長率の上方修正などは具体的に何を意味しているのでしょうか。
ちなみに下図は米国の10年債券のチャートです。
「金利」とは?
金利とは、お金をやり取りする際に発生するもののことです。
例えば、銀行から100万円を1年間借りるとします。
1年後には借りていた100万円に加え、利子である3万円を支払います。
この利子のことをまとめて金利と言います。
利子のほかにも、利息や利回り、年利、利率などの総称が金利ということになります。
では、金利が上がれば、株価はどうなるのでしょうか。
結果から申し上げますと、金利が上がれば株価は下がり、金利が下がれば株価は上がります。
金利の決め方
先ほどFOMCのニュースを取り上げましたが、金利はFOMCや各国の中央銀行が決定しており、その国の経済状況、景気の見通しなどによって決まります。
FOMCや中央銀行の金利に対する政策を理解しておくことで、中長期的な株価の動きをある程度予測することができるんです。
基本的には景気が良ければ金利は上がり、景気が悪ければ金利は下がります。
反対に、金利が上がれば景気が良くなっており、金利が下がれば景気が悪化していると言えます。
簡単に想像していただければ理解しやすいと思うのですが、景気が良い時は景気の過熱を抑制するために金利を上げて、過度な取引を抑制する力が働きます。
一方で景気が悪くなれば、市場に出回るお金の量を増やしたり、企業間での取引を増加させるために、金利が下がります。
普段の生活に落とし込んでみても分かりやすいですが、銀行から融資を受ける際に金利が低ければ借りやすくなりますよね。
このようにして金利はFOMCや各国の中央銀行が経済全体を考えながら、バランスを取るようにして、決定されています。
FOMCの声明を受けて株価はどうなった?
では、最初の話題に戻りますが、FOMCの声明を受け、株価はどうなったのでしょうか。
FOMCは低水準の金利を維持し、量的緩和も継続、世界経済の成長率も上方修正しましたので、今後も経済成長が見込まれるとの見方が広がり、株価は大幅に上昇しました。
金利と株価は相反するものなので、低金利が継続されるということは、株価が右肩上がりの上昇を続けることと同意になります。
よって、FOMCに声明を受け、株価は大幅に上昇したのです。
FOMCや中央銀行の声明や動きを注視することによって、今後の株価の動きがある程度予測できます。
ただ、経済や株価は様々な要因で成長したり、下落したりしますので、あくまでも参考程度に捉えるのが良いかと思っています。
常にアンテナを張って、様々な情報を取捨選択し、自分にとって有益な判断ができるようにしておきましょう!
私は普段ロイター通信やブルームバーグなどから金融情報を得ています。
どちらもスマートフォンのアプリに対応しており、ブルームバーグについては毎日押さえておくべき5記事をメールで配信してくれるサービスもあります。
どんな情報が、どんな媒体から得るべきかは人それぞれだと思いますが、ぜひ自分に合った、自分に必要な情報を得るようにしてみてください。
ではまた!
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